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競走馬飼育
自然のなかで知った競争の過酷さ (男性32歳:アルバイト当時21歳)
●馬との触れ合いの日々●
21歳からの3年間、競走馬飼育のアルバイトをしていました。
牧場にいたのは40頭の競走馬。その競走馬を、牧場長をはじめとした4人で世話をしていました。朝一番で馬を牧場に放して、その間に僕らは馬房を掃除します。馬房には、寝ワラと呼ばれる、切ったワラが敷き詰められているのですが、馬の排泄物でぐちゃぐちゃになってしまっているので、それを再利用するために干したり、古いものは捨てたり。これが意外と重くて、重労働でした。
でも、もともと、競馬が好きだったので、馬に触れられたのは嬉しかったですね。馬に乗って運動をさせたり、餌を与えたり、馬と触れ合う作業は楽しかったです。初めて馬に乗ったときは、いつもと違う目線に感動しましたね。でも最初は、馬に乗っても振り落とされることが多かったです。慣れるとある程度自由に乗りこなせるようになりましたが…。
●辛かった重労働●
基本的に、仕事は肉体労働でした。特に寝ワラを干したり、片づけたりする作業は手作業でおこなうのですが、腱鞘炎になるほど。とにかく体力がないとどうにもなりません。最初は体力がないせいで、馬房の片づけも先輩の半分もこなすことができませんでした。ただ、ひたすら一生懸命働いているうちに、体力がつき、そのことによって仕事のスピードも自然とあがりました。スキルアップは感じにくい仕事でしたが、体が健康的になっていくのは実感できましたね。
また、馬は寒冷動物なので、暑さに弱い生き物です。夏は朝の涼しい時間に放牧に出さなくてはならないので、僕らも夏は早起き。慣れてしまえば、朝が早い分、1日を長く使うことができるのでメリットとなりましたが、最初はそれも辛かったことのひとつでした。
●「競走馬」たちが生きる世界●
アルバイトをしているときは、のんびりとした田舎暮らしを楽しんでいました。都会に比べるとないものもたくさんありましたが、豊かな自然や素朴な人々がいる田舎暮らしはとてもいい経験になりました。馬の仕事に限らず、自然と触れ合えるアルバイトでは、都会にはない経験を得ることができますから、ぜひ1度経験してみるといいと思います。
しかし、そんな田舎ののんびりとした空気のなかで育ちながらも、馬たちが生きる世界というのは本当にシビアなものでした。競争生活を続けることができなくなった馬を見るのが一番辛いことでした。一部の馬を除いては、競走馬の大部分は引退後、処分されてしまいます。
短い期間とはいえ、世話をしていた馬が姿を消すと瞬間というのは、悲しく辛いもの以外のなにものでもありません。このときばかりは、競馬というスポーツの残酷さを感じずにはいられませんでしたね。
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